モグラ帝国から虹の橋へ

お知らせ。
当サイトの短編小説コーナーの中で、
もう読むに堪えないと私が考える作を削除します。
対象作品は「ダル・エス・サラーム行き」(別ウィンドウが開きます)
4月1日ごろ削除予定です。よろしくお願いいたします。

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ところで、

私はモグラ帝国の隅でぼーっとしています。ふと、いいことを思いつきました。

ペットを飼うのです! 

ペットは当然モグラです。地底にはサンショーウオなどもいますが、私は哺乳類が好きです。それにしても、どこがどうなっているのかさっぱりわかりませんが近代化しつつあるらしきモグラ社会で、モグラをペットにしていいのでしょうか。
自由モグ権運動の闘士モグ山モグ権の非業の死が思いだされます。
モグ山モグ権はモグ権のために戦ったけど抹消され忘れ去られ後に続く者も無し、だから
『モグ権』というものはまだ存在しないんでしょう。
私は可愛いmyモグラに素敵な首輪をさせ、ヒモで繋いで散歩して「お手」や「お座り」をさせることを想像しました。なんかいいかもです。
忠実なモグ公(ああ、もう名前が決まってるよ)は、私の危険に際して身を挺し、モグラ坂を駆け上り、敵モグラにモグラシャベルで必死の一撃を加え、無数の銃剣に身を貫かれながら、かなしそうな褒めて欲しそうな目で私をなつかしげに見るでありましょう。
そのような大事はなくとも、私が人間界に戻ってしまったら、地下帝国と人間界の境界で、忠実なモグ公はじっと私を待ち、餓死するまで座り続け、忠モグ・モグ公として銅像になり参拝客は皆、モグ公の愛らしい心持ちを思って涙を流すのです。

このモグ公像は、植民地の現地妻みたいな感じである。何か自分にはペットというものに対する誤解がある気がする。日常を一緒に楽しむのがペットだろう。しかしモグラ帝国に日常はない。ハレもないがケもない。何もない。
ペットにするにはオスがいいかな? メスがいいかな?
ペット用の可愛い子モグラはどっから入手すればいいんだ。

わたしは先日、人間の人から聞いた『虹の橋』というインターネットで流布されている、著作者不明らしきお話を思いだした。この『虹の橋』のお話は有名なのだろうか。皆様ご存じでしょうか? 元は英語らしい。
著作者はわかんねー……、虹の橋の話を載せているサイトも著作者不明としてあって、引用していいのやらどうやらもわからないので、興味のある方は『虹の橋』あるいは「rainbow bridge」で検索してみて下さい。
私が読んだ『虹の橋』のお話の梗概はこんな感じでした。

ペットにされていた動物は亡くなった後も、虹の橋のたもとにある、 暖かくて日が良く当たって、安全で食べ物もいっぱいある土地で 暮らしています。平和で幸せな毎日ですが、ペット動物たちは何か物足りないなーと思っています。そうです、彼らは生前の飼い主を待っているのです。 ああ! 飼い主が来ました。そして犬は、猫は、鳥は、フェレット、その他色々は、あなたと一緒に虹の橋を渡っていくのです。

(ちなみにペットを飼っていなかった人間が、生前人間のせいで悲惨な目に遭った動物と虹の橋のたもとで絆を結ぶという別パターンも見かけた)

思いだして書きながらも何か涙がボロボロ垂れてきます。流れよわが涙、と警官も言っています。いやマジで、ありえねーーよ、と思いつつも、泣き系情感感受部分の敏感な部分を露骨に突かれます。
この話の出所に対する興味はありますが、それを書くにはそれなりの調査が必要だと思いますのでパスします。
で、私は私を虹の橋の前で待っている私のペットのモグ公を想像してみたりしますが、想像はどんどん逸れていきます。ああ、ペットじゃなくて、以前書いた小説の登場人物が待っていたら嫌だなあ。ずっと彼/彼女の小説内での取り扱いにねちねちと文句を言われ、逆に彼/彼女が私を、悪意をぶちまぶして書いたりするのだ。

ペットが待っているのが虹の橋の設定だろう。家畜は待っているんだろうか。よくわからない。

というわけで、私は虹の橋の前に来ました。お日様が当たる草原に色んな動物がいます。太い虹の前の草原ではセイタカアワダチソウとハルシオンが満開です。その辺に猫大好きフリスキーが落ちています。
ずっと昔に私の替わりに爆殺された
懐かしいモグ公が、すっかり元の元気な姿に戻り、虹の橋のたもとで、モグモグと私に手を振っています。
私は虹の橋の橋脚に向かって走りだしました。
橋の側まで来ると、その下は滝になっていました。お日様の光で輝きつつ巨大な水の壁がごうごうと流れ落ちていたのです。虹の橋はこの滝からすっくと伸びていました。
その瀑布で、すべての猫が豆腐を洗っています。滝の水流に豆腐が千切れて、猫爪の跡を残し、滝壺に消えていきます。
私はモグ公のリードを引っ張り、『虹の橋』に登り用の簡易な鉄階段を昇りました。虹の橋は、絹ごし豆腐に七色の人工着色料を混ぜた建材で、ところどころ「ゆば」だった。
私が虹の橋を踏むと、ずぶずぶと、

そしてまた地下の議事洞で、モグラ議長が私に死刑を宣告しました。

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このページは、間瀬純子が2007年3月27日 16:10に書いたブログ記事です。

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