2006年5月アーカイブ
現在、山家暮らしです。
詳細は変えてありますが、先日、山で事件がありました。
まだ夜が明けるか明けないかといったころ、
凄まじい風が吹きすさんでいました。
早朝の登山者は、山道の瓦礫が血まみれなのに気づき、
怖くなって降りてきました。それは犬の血です。
高山植物の咲き乱れる中、
重さ二百キロくらいある巨大なイノシシが7頭ほど連なり、
散歩され途中の犬を囲い、噛み殺したのだそうです。
あたかも『遠野物語』の一挿話みたいですよ。
いや本当は犬は死んでいませんけど、酷い怪我はしたみたいです。
また間違いなくPTSDになったでしょう。
夕方、日の暮れかかるころ、ガムランみたいな音楽が山里に響き渡っていました。
ただでトランス音楽が聞けて良いか。煙草を吸おうとしたら、煙草が切れていたので、
わたしは、外に出て山道をどんどん下っていきました。
巨大な山車が自動販売機に続く道を塞いでいます。
山車は、わたしは東国出身なので、御神輿はまあ見たことがありますが、山車にはあまり馴染みがありません。山車は木で彫った獅子の顔のような、なんか南洋っぽい感じです。
わたしは方向転換し、脇道に逸れ、別の自動販売機を目指しました。
山なので、道はすべて3Dで、道に迷うと仲々強烈に上り下りを繰り返さねばなりません。
そういえば3Dゲームを初めてやったときには、酔ったように気持ち悪くなったよな。とか思いつつ、
トランス音楽は延々と続きます。
自動販売機に続く細い藪の道を通り抜けると、既に暗くなっていて、
肝試しで下から懐中電灯で顔を照らした、その顔みたいにライトアップされた巨大な山車が、
再び広葉樹を掠め、迫ってきました。
わたしは一瞬、自分を追いかけているんじゃないかと思いましたが、
自動販売機を置いている家や商店が
山車を引く人々に振舞酒やジュースを出すから山車が来るのでしょう。
ああそうか、と思いつつ、またさらに山車の邪魔をしては悪いから次なる自動販売機を捜しに行く、
のはあまりに遠い道のりなので、山車に圧倒されながら、
こっそり煙草を買おうと自動販売機の設置されたコンクリート段に登ろうとしたら動揺していたのか段を踏み外し、顔の眼鏡部分が自販機に激しくぶつかり、うずくまると、山車の世話役らしき初老の男性が、大丈夫か? と親切に訊いてくれました。……大丈夫です。と答え、山車を避け細道を登ってきましたが、
眼鏡が歪んだようです。掛けてると視界が変です。頭痛がします。気持ち悪いです。
今はセロテープで『つる』を補修していますが、フレーム本体が微妙に歪んだようで素人のわたしには直せません。
一昨年ほど、電車の乗降口に顔をぶつけ、眼鏡をのねじ部分がぐしゃりといったことがありましたが、その時は酔っていたからまあ仕方ないのです。
しかし今回は素面です。
戻って眼鏡の損傷にショックを受けながら煙草を吸いました。
ずっとトランス音楽が鳴っていたからトランス状態だったのかもしれないですね。
